結婚式のカメラマンと写真打ち合わせで話すべき3大ポイント
こんにちは、Naoです。
最近ではカメラマンを指名することが一般的になってきました。
それと同時にこんなお悩みを耳にすることが増えてきました。
カメラマンと打ち合わせをする時にどんなことを話したらいいか分からない
そうですよね。
初めてのことですから分からなくて当然です。
もちろんカメラマンに委ねてもらって構わないのですが、打合せというのは事前準備が大事だったりもしますよね。
急に質問されてもちゃんと答えられるか不安という方もいらっしゃると思います。
ですから今回は僕が普段お打ち合わせでどんなことをお聞きしているのかをお伝えしたいと思います。
一例として参考にしていただければ幸いです。
目次
はじめに:打ち合わせの目的は?
まず最初に理解しておかなければいけないのはこの打ち合わせの目的は何なのかという点でしょう。
この答えはきっと、お二人らしい写真を残すため、かと思いますが、
もう少し平たい言い方をすれば、好きと嫌いの境界線を共有することだと思います。
そしてそれ以上に大事なのはカメラマンに『ストーリーや背景を知ってもらい同じ気持ちになってもらうこと』だと思います。
1.ストーリーや背景を共有しましょう
カメラマンも人です。
僕もそうですが感情でシャッターを切ることが多いです。
あぁいいな、素敵だな、そう感じた瞬間を残したいと思っています。
たくさんのゲストがいる中で笑顔のゲストには自然とレンズが向くものです。
具体例:その1
例えばどうでしょう。
結婚式当日の朝、燕尾服に身を包んだ新婦のお父様がいらっしゃいました。
すぐに「本日はおめでとうございます」と声を掛けてみましたが、無視されてしまいました。
それどころか眉間にシワを寄せてなんだか怒っているようなご表情。
ご緊張もありますし初対面ですので少しよそよそしかったりすることはありますが、怪訝そうなお顔付きで無視されてしまったのは初めてです。
自分が何か粗相をしてないか思い返してみましたが特に思い当たりません。
何かその前にトラブルでもあったのかもしれませんし、人間ですからそういう時もあります。
お父様のご気分を害さないように遠くから自然な様子を写真に残しました。
しばらくしてお支度が仕上がった新郎新婦の部屋へ伺うとこんなお話が…
新婦「うちの父、いつも無表情というか眉間にシワを寄せて怒ってるような顔なんです。」
新郎「あぁ、最初挨拶行った時すごい怖かったー笑」
新婦「ねー!でも本当はすごく泣き虫で家族の中で一番すぐ泣くんです笑
たぶん照れ隠しというか泣かないようにいつも気を張って難しい表情になっているんだと思います。」
新郎「僕も挨拶が終わった後にお父さんが黙って一升瓶をドン!と置かれた時はビクッとしたんですが
乾杯してしばらくしたら急に泣き出されて…
一瞬戸惑いましたが、それからはお父さんのことがとても好きになりました」
新婦「そんな父なんで絶対今日もムスッとしてるかと思うんですがよろしくお願いします」
そしてその後、新婦さんとご対面されたお父様は予想通り大号泣。
ご両家の親御様の中では一番、むしろ新婦さんより泣いていたお父様でした。
うわー、さっきの怒ったような表情もっと写真に残したかったー!
ってなりませんか?
このエピソードを聞く前と聞いた後ではやはり違いますよね。
これを聞いた他のカメラマンが、同じようなシチュエーションに遭遇した際に、カメラを向けて本気で怒られて、その後良い関係性を築くのが難しくなってしまったというパターンも考えられます。
というか、普通はそうですよね。
では、そうではない、お二人やそのご家族、ご友人様だから成り立つ写真とは何なのか。
それを探っていくことができるのはお二人から聞いたストーリーにヒントを得た場合のみだと思います。
こんな風に背景やストーリーを知っていると撮影の表現の幅が広がることがあるわけです。
事前に何も聞けていなくても勝手に想像を膨らませて撮影することも多々ありますが、それはあくまでそのカメラマンの想像です。
想像の範囲よりも実際のストーリーの方が広く深く、想像もしなかったようなこともあります。
やっぱり本物のストーリーには遠く及びません。
他にも色んなことがあるでしょう。
お二人が生まれてからや、出逢われてからのストーリーをお話していけば自然と何かに行き着くはずです。
言葉にして伝えるのが苦手だなーと感じる方でもその時々のお写真を見せていただきながらお話していくと、それがきっかけで思い出すこともあります。
プロフィールムービーが出来上がっていればそれを見てもらうのもいいですね。
百聞一見にしかずで、お写真を見ると一気に理解が深まります。
逆にどれだけ言葉で説明されても、会ったことのない人を理解するのは難しいですよね。
先ほどのエピソードではありませんが、お父様の眉間のシワの寄り具合をお写真で見せていただければ
「確かに!このご表情は最初怖気付いちゃいますね!笑」
などとお話も膨らむかと思います。
具体例:その2
十分お分かりいただけたかとは思いますが、せっかくですからもう一つ例え話をしましょう。
多くのご要望はやりたいことしかカメラマンに伝わっていないことが多いです。
例えば、亡くなったおばあちゃんのお写真を持って一緒に撮影したい、というご要望があったとします。
そうすると、額縁をお持ちいただいた状態での記念写真は撮ってもらえるでしょう。
それでもある程度は満足できるかもしれません。
でもこういう伝え方を打ち合わせでしていたらどうでしょうか。
「母方のおばあちゃんなんですけど、小さい頃から高校生ぐらいまでは毎年お盆とお正月は親族で集まっていたんです。
行くたびにいつも満面の笑顔で出迎えてくれて、大きくなったねぇと言いながらいつも抱きしめてくれるんです。
照れくさいですし自分ではそんなに変わったかなぁ?とも思うんですけど、おばあちゃんの嬉しそうな笑顔にこっちまで嬉しくなるんですよね。
だから今でもおばあちゃんのことを考えるとその時のことばかり思い出すんです。」
というエピソードが聞けたとします。
その場の光景が浮かんでグッと感情が伝わっきますよね。
そうすると例えばただ手に持って写真を撮るのではなく
今度は新婦さんが今までありがとうという気持ちを込めて抱きしめてあげましょう
とか
そうなるとL版のフレームでは小さすぎるからA4のフレームにしましょう
とか
のように具体的な提案ができるようになります。
ストーリーを共有することはとても大切ですね。
2.好きな写真を伝えましょう
逆にこれはちょっと気をつけた方がいいなと思うこともあります。
それはよく結婚情報誌などを見ると載っている「リクエストカットをまとめた用紙を作ってカメラマンに渡しましょう」というものです。
これは作り方がとても難しくて、下手をすると写真全体のクオリティを下げてしまう可能性もあるんです。
少なくても打ち合わせなしでリクエスト用紙をカメラマンに渡すのはちょっとリスクが高いです。
それを渡したカメラマンの仕事を、機械的な作業に陥らせてしまう可能性があります。
これはあくまで僕の場合ですが、撮影前にある程度シーンごとに優先順位を頭の中で組み立てています。
そしてそのための準備をしています。
このシーンでもしこうなったらこういう感じで写真を残したいな。
そうするとレンズは望遠のものをつけていた方がいいな。
今日の天気だとこの辺の光が綺麗だからここにお二人に立ってもらおう。
アクセントとしてストロボの光を逆光で欲しいからスタンドに立ててこの位置に置いておこう。
ここにリクエストカットをいただいてこんな風になってしまうこともあります。
(上記のように考えていたところリクエストカットの紙をプランナーさんから受け取ります)
この感じの背景で撮るとなると立ち位置はここじゃないといけないけど今日は光があまり綺麗じゃないなぁ…
ん〜、せっかく今日はあそこがすごく光が綺麗なのになぁ…!
しかもこの撮影にはある程度時間もかかるからあっちのシーンを撮影するタイミングがなくなっちゃうなぁ…
でもご希望だし…
打ち合わせして確認したいけど、そんな時間撮ってたら撮影時間が少なくなってしまうし…
もうこの希望の通り撮るしかない…!涙
なんだか損をしている感じがしませんか?
そしてリクエストカットは1カットだけということはあまりないのでそのカット数分こういうことが起こる可能性があるんです。
もちろん必ずしもそうなるわけではありませんが、リクエストカットにはその日だからこその様々な状況が加味されていないため
カメラマンが優秀であればあるほど往々にして損をする可能性の方が高いです。
じゃあ、リクエストはしちゃいけないの?
希望を伝えることはできないの?
できます。
それが打ち合わせなんです。
新郎新婦のご希望は叶えてあげるのが仕事だと思いますし、逆にご希望も分からないまま撮影に入る方が僕は不安です。
ですから、お打ち合わせ前にリクエストカットについて必ず共有いただいております。
しかしただ頂戴して終わりでは前述の通り意味がありません。
リスクを洗い出した上で、何を優先するか決めておくことが重要なんです。
例えば友人受付と親族紹介に代表されるように、同時進行で行われるイベントがあるならカメラマンは2人にしないといけないということもあるかもしれません。
それを打ち合わせで確認できていれば、2人に増やしておくこともどちらかのイベントを優先して撮影してもらうことも選択することができます。
プロカメラマンを2人雇うのが難しければ、どちらかのイベントを写真が趣味のご兄弟にお願いするなどということも。
ご要望としてよくあるのはウェルカムスペースやテーブルコーディネートを撮影しておいて欲しいというもの。
新郎新婦からすれば考えもしないことかもしれませんが、この辺は挙式中に準備が行われていることが多いんです。
挙式が終わって、教会前で新郎新婦だけで撮影。
ゲストの皆様は披露宴会場へ先にご移動。
カメラマンは新郎新婦の撮影が済んでから移動。
時既に遅し。
ドレス当てクイズのペンライトはもうほとんど残っていないでしょう。
カメラマンが走れば済む程度であればいいのですが、それで間に合うようなケースなんてほとんどありません。
ですからもう一人カメラマンを用意したり、会場にお願いしてカメラマンの撮影できるタイミングに間に合わせてもらうなど工夫が必要になります。
他にもたくさんありますが、そういったことは結婚式を何度も撮影しているカメラマンでなければ想像できません。
ですから事前に打ち合わせで擦り合わせをしておくことがとても重要なのです。
3.嫌いな写真も伝えましょう
そして好きな写真だけではなく嫌いな写真も伝えましょう。
リクエストカットは結婚式1日の中のほんの一部のシーンだけを集めたものですよね。
ではその用紙に載っていないシーンについてはどうしますか?
さすがに全てのシーンについて細かくリクエストカット作ることはできそうにありません。
(できたとしても300〜500という数字になると思います…苦笑)
そうなった時に重要なのが、好きと嫌いの境界線を共有しておくことです。
こういう写真は好きだけど、こういう写真は好きではないと両方伝えておくことで他のシーンについてもカメラマンが好みを反映しやすくなります。
じゃあ、これは?それならこれもNGですか?とどんどん擦り合わせておきましょう。
その際になぜその写真が好きor嫌いなのかの理由も伝えてください。
どんどんカメラマンの頭の中はあなたの趣味嗜好に似通ってくるはずです。
そうすれば安心して当日を任せられますよね。
そんな感じでたくさん3点に絞ってお話しさせていただきましたが、実際にはもっと細かく色んなことを伺っています。
ただそれは葉先の部分のお話で、幹の部分、軸となるのはこの3点かなと思いお話しさせていただきました。
ぜひ納得のいくお写真を残してもらえるよう活用してみてください。
この記事へのコメントはありません。