こんにちは。
NeM PhotographyのNaoです。
本名:増子直也(マスコナオヤ)
ふたご座
宮城県石巻市出身
埼玉県さいたま市在住
妻と8歳の息子の3人家族
結婚式カメラマン歴13年
撮影実績1400組以上
「パパ、これ」と言って
スマホの参考資料を見せてくれるうちの子。
うん、ありがとね。近過ぎて何も見えないけど。
大好きなお二人とお世話になったたくさんの方達と
Naoの頭の中
「アルバムはどうせあんまり見ないしね」 そんな独り言のようにつぶやかれた言葉を何度か耳にしたことがあります。
結婚式のアルバムというと、届いた時に見た後は本棚や押入れに眠るイメージがあります。
結婚式を終えた多くのカップルが実際そうなのだと思います。
しかし写真は見てもらうことで力を発揮するもの。
どれだけ強い力を秘めていても見てもらわなければ誰かの心に届くことはありません。
あなたにとって写真とは何でしょうか。
そう問われたらみなさんならなんと答えるでしょうか。
僕にとっては「自分が幸せであり続ける為のツール」だと思っています。
東日本大震災を経験した僕は写真の大切さを痛感しました。
津波に家が流されても写真だけは持って逃げたという話は聞いたことがあると思います。
なぜ人はそこまでして写真を大切にするのでしょうか。
家や財産など多くのものより優先すべきものなのでしょうか。
それは人生の根本において、大切にすべき感情がそこに詰まっているからかもしれません。
僕たち人間は必ず忘れる生き物です。
どんなに幸せであっても、逆に辛いことがあっても、時間とともにその感情は薄れていくものです。
僕も震災の時のように眠れないということは9年経った今はなくなりました。
もし今もそうであったなら僕は心身ともにやつれ病に倒れてしまっているでしょう。
忘れるということは人間が生きていく上で大変重要な機能なのです。
しかし忘れたくないこともあります。
結婚式にはそれがたくさん詰まっているのです。
一度脱線するようですが、僕は幸せになりたいんです。
いきなり何を言い出すかと思われるかもしれませんが、幸せになりたくない人などいないと思います。
人は皆幸せになりたいと思っています。
しかし、その手段なり必要なものはなんでしょう。
やはりお金でしょうか。
1億円宝くじで当たったら幸せになれそうです。
でもそれは自分が比較対象としている周囲の人より多くお金をもらっているから感じる優越感かもしれません。
周りがみんな2億円もらっているのに自分だけ1億円だったらどうでしょうか。
自分だけなぜ半額なのか気になってしまうと思います。
モノやカネに対する欲求は尽きることはありません。
求め続ければ死ぬまで自分は誰かと比べて不幸だと思うことでしょう。
では僕はどうしたら幸せになれるのでしょうか。
答えはもう既に幸せであることを思い出すことだと思います。
これほど豊かになった日本で、今日生きるか死ぬかに怯えて寝付けないような暮らしをしている人はほとんどいないでしょう。
家族が無事で、今日帰って寝る家があって、食べるものもある。
問題なのはそれが当たり前になりすぎて心が鈍感になってしまったことです。
僕はそれを震災を通じで感じました。
ほとんどの方はあれほどの大きな震災を経験することなく人生を終えるかもしれません。
(むしろそうであってほしいです)
しかし、またほとんどの方は結婚を経験します。
そして結婚式をします。
日本の結婚式では新婦手紙がクライマックスに来ることが多いように、その大きな目的を今まで育ててくれた親への感謝にあてています。
あれほど多額の費用をかけて結婚式をする最大の目的は親への感謝なんです。
欧米諸国では結婚式で新婦手紙なんて笑われてしまうそうです。
涙ながらにみんなの前で親に感謝の気持ちを伝えることなんて理解できないみたいです。
ハグやスキンシップが多く、気持ちをストレートに表現できる文化には受け入れられないということです。
じゃあ、日本の新婦手紙って良くない風習なのでしょうか。
欧米に倣って止めるべきでしょうか。
そうではないと思います。
これは慎みを重んじへり下る精神を持った日本人が普段言葉に出さずとも同じように心の中に持っている感謝の気持ちを伝えられる貴重な機会なのだと思います。
言葉にしようとするだけで涙が出てしまうようなその気持ちを持ち続けることができたなら幸せになれると思いませんでしょうか。
結婚式の1日は笑ったり泣いたりいろんな感情に溢れています。
学生の頃までは入学式に卒業式、クラス替えにテストに文化祭、体育祭と様々なイベントを通して四季折々たくさん笑ったり泣いたりした経験がみなさんあると思います。
それが社会人になってから単調になってしまったという方も少なくないのではないでしょうか。
そうして鈍くなってしまった心で働く中で、いつしか大切な何かを失くしたような気がします。
それを思い出させてくれるのが結婚式だと思っています。
そして僕が結婚式の写真を撮り続けるのはその時の感情を忘れないでいてほしいからです。
それがいつかは分かりませんが、大きな夫婦喧嘩や親子喧嘩などで家族が危機を迎えることがあったとします。
その時にふと目にした一枚の写真が大切な感情を思い出させてくれるかもしれない。
何百枚とある写真の中で数枚かもしれないし、一枚だけかもしれない。
でも一枚でもあなたの人生や大切な家族をその写真が助けてくれることがあれば他の数百枚は問題ではないのです。
そんな気持ちでお写真をお渡ししております。
幸せはもう足元にあってそれに気づくのを助けてくれる。
みんなもう幸せなんです。
逆説的ですが、冒頭僕が言った幸せになりたいという言葉が頭にあるうちは幸せにはなれません。
自分はもう既に幸せだ、と思うこと以外にその方法はないのだと思います。
この考え方からNeMPhotographyでは写真ができるだけ目に入ることを目的として写真をアルバムではなく、壁や写真立てに飾ることをお勧めしています。
意識して見ずとも、無意識的に視界に入ることで潜在意識の中にまで写真は効果を発揮してくれると考えています。
どのような形で残すかも重要ですが、写真において最も重要なのは目に入る回数が多いことだと思います。
人の感情は程度によりますが1週間もすればリセットされるものです。
毎週アルバム見ますか?見ませんよね。
アルバムではどうしても手に取り開くという動作が必要です。
しかし壁に飾られた写真は一切の動作を必要とせず、ほぼ無意識に目に入ります。
そしてアルバムのように時系列で並びその日行ったことを満遍なく思い出すことよりも、人生を豊かにする上では本当に必要な数枚の写真だけの方が効果があると思っています。
飾ってください、写真を。
きっとあなたの人生を幸せにしてくれると信じて。