コロナ禍で見えた結婚式の本質 IWAI OMOTESANDOでの写真撮影レポート【持ち込み(外注)カメラマン】
こんにちはNaoです。
あっという間に2021年ですね。
昨年はきっと皆様もコロナに振り回された一年でしたよね。
僕もそうです。
結婚式を控えたご新郎ご新婦は直前まで悩みに悩まれていくつかのご決断をされたことでしょう。
正解がないだけにこれらの決断にはとても体力が必要でしたよね。
昨年結婚式を挙げられた方、ご延期された方、中止された方、どんな選択でも大きな大きな一つの決断をされた皆様へ承認の気持ちを送らせていただきたいと思います。
そして今日ご紹介させていただくお二人もそんな悩みを抱えながらも大きなご決断をされた中の一組様です。
ニュースを見る度辛くなる日もあったでしょう。
ゲストからの欠席の連絡にどうしようもない悲しみを感じることもあったでしょう。
それでも最後の最後まで出席してくれるゲストのことを想い式を挙げるべきか悩み続けたことでしょう。
僕には想像し切れない様々な悩みを抱えながらも結婚式を挙げることをご決断されたお二人。
でもその先にあったものがあんなにも温かいものだったなんて。
もちろん今の時世ですから、恵まれた状況だったとは言えないかもしれません。
でもすごく良かったのです。
もしかしたら結婚式は挙式さえなくても成り立つのではとさえ考えさせられました。
では逆に本当に必要なものは何のか。
このブログを通してあなただけの答えを見つけてみてください。
コロナに悩まされる全ての人々へ、そして親愛なるお二人へ愛を込めてこの日の想いを綴ります。
舞台となったのは東京の表参道ヒルズ近くにあるIWAI OMOTESANDOさん。
ずっと行ってみたかったCRAZY WEDDINGさんの会場。
少し路地に入った閑静な場所にあります。
世界が悩みを抱えているのがまるで嘘かのように気持ちの良い青空。
お二人とは結婚式からちょうど1年程前にInstagramを通じて知り合い、それからのお付き合い。
お申し込みいただいた頃はまだまだ先と思っていた日があっという間に今日となりました。
月日が流れるのって本当に早いですよね。
外観撮影中にお二人がご到着。
担当のプランナーさんがお出迎え。
当日はバタバタと忙しいものですが、この笑顔にきっとお二人も癒されていたことでしょう。
前のお式の方がいらっしゃったためお支度部屋へは階段で移動されてましたがエレベーターもありました。
僕はエレベーターよりこの階段の方が好きでした。
だって空が本当に綺麗。
開放感のある空を見上げながら支度部屋に向かえるなんてとっても素敵じゃありませんか。
お支度部屋へ着くとヘアメイクさんがお出迎え。
前撮りからお世話になってお持ち込みされたヘアメイクさんだそうです。
そうそう!IWAIさんはお持ち込みが自由で持ち込み料も無料の会場さんということでも有名なんです。
持ち込みって職場に行ったら毎週一緒に働く人が違うってことですから色々大変なんです。
しかも一世一代の大イベント。
だから制限のあるところが多いです。
その制限の中で満足できるサービスがある場合はいいのですが、そうでない時が問題なんですよね。
良い悪いの話よりも合う合わないの話もありますし。
それゆえ持ち込みNGの会場さんがほとんどですし、OKでも別料金が必要なケースが多いです。
大変さも理解できますからそこは責めないであげてほしいです。
ただ選ぶ側としては事前チェックを忘れずに。
これ絶対です。
会場見学時のチェック表に入れておいてくださいね。
と言うことでIWAIさんの懐の広さたるよ。
正確には懐が広いと言うより、自由な結婚式を作りたいと言う創業者達の理念なのです。
会場都合じゃない、新郎新婦の気持ちを優先した自由な結婚式が好き、と言うかそれじゃないと嫌だと言う人たちの集まりがCrazyWeddingさんだと思います。
そんな方々の作る結婚式は本当に楽しそうなものばかりで創業期からずーっとご一緒したいなと思っていました。
そういう意味でも僕にとっても念願の日、なわけです。
それにしてもお支度部屋が明るい&広い!!!
今までいろんな会場さんにお邪魔してきましたがブッチギリで過去最高です。
もはやスタジオのレベル。
こちらは扉入って右側の窓。
角部屋のため壁2面がほとんど窓。
窓の面積が2倍だから2倍明るいです。
でも写真写りは控えめに言って5倍です。
メイクさんの道具ってカメラマンより多いのでは。
お洒落は足元からっていいますもんね。
良い靴履けるようになろうと誓ったこの日。
時間の経過と共に影が動いていく日時計のようなデザインが素敵です。
光のデザインがもはや美術館レベルです。
結婚式場という感じではありません。
光って壁や地面、植物なんかに反射して空間を周るので設計が素材レベルでめっちゃ難しいんです。
これ作った人に拍手。ホント拍手。
Celebration Hall
いわゆる挙式会場です。
祝いの場。
扉を入ると丸い光が奥に続く通路になっていました。
途中右側に入り口がありますがそこが現在。
手前が過去。奥が未来。
右側の入り口はこんな感じでCelebration Hallへとつながっています。
IWAIさんでは新郎と新郎両親、新婦と新婦両親のそれぞれファーストミートがあります。
親御さんは先程の説明を受けた上で部屋の中で待つ現在のお子さんに会いに行くというストーリーになっているようです。
いや、泣くわ。
このお花、毎週変わるんですって!
毎週って凄すぎです。
チャペル内の花が毎週違う会場さんなんてあったかな…
今のところ聞いたことがないです。
入り口反対側には円窓が。
円窓をみると禅の世界を思い出します。
『己の心をうつす窓』
あー、座禅組みたくなってきた。
関節固くて組めませんが←
受付スペースに来ました。
好きなものを飾るというより、その人を構成する思い入れのあるものを飾るのがIWAIさんの良いところの一つ。
大切なものを知ってもらう、そんなスペースになっていました。
素敵。
それにしても空間デザインが素敵すぎます。
飾らない、引き算の世界。
新郎さんのお支度が終わる時間に。
お部屋から出て受付スペースへと向かわれます。
階段に落ちる光も綺麗だなぁとそこにピントを合わせていると…
奥でピースしとるやん笑
すみません、新郎さん、今気付きました…笑
片手に大事に抱えている箱の中身はゲストへのお手紙。
IWAIさんといえばのこのお手紙。
ゲスト全員分の投函口があります。
キャッチフレーズが添えられているのが良いですね。
(個人名のためお名前はぼかしてあります)
一つ一つ丁寧にご自身で投函されていきます。
直接言葉で伝えるのも良いと思いますが、本人以外の人に聞かれるのもちょっと恥ずかしいでしょうし、何より直接面と向かって話すのってとても勇気がいりますよね。
だから事前にお手紙で、というのは僕は好きです。
もちろん直接お伝えするのも好きですが、手紙は形にも残りますしね。
全ての手紙を投函し終わったらメイクルームへ。
少しだけお二人のお写真を撮るお時間をいただけました。
このイヤリングとっても素敵です。
ドレスの刺繍がとっても上質です。
天気がいいのもありますが、本当に綺麗に光が回るメイクルームです。
柔らかい日差し。
心が休まるような温かさを感じます。
お二人ともとってもいいご表情です。
やっとこの日を迎えられたね。
そんな優しい晴れやかな笑顔です。
めっちゃイケメンなのに時々ふざけて新婦さんや僕らのことも笑わせてくれる気遣いが素敵な新郎さん。
おかげさまでとっても空気は和やかになりました。
姿勢がとっても美しい新婦さん。
まるで絵の中にいるようです。
さて、そうしてる間に新郎さんの親御様がご到着されました。
新婦さんの親御様とは時間をずらしてお越しになります。
これはIWAIさんの計らいで新郎新婦それぞれ親御様とのファーストミートがあるためです。
新郎新婦にとっての幼い頃の思い出というのは親御様にとっては若かった頃の思い出に当たります。
僕らスタッフや多くのゲストの方と異なり初めて目にするものではありません。
それはもしかしたら親御様自信がプレゼントしたものであることも多いでしょう。
親御様からはどう見えているのでしょうか。
そんな想像を膨らませると何気ない一枚の中にストーリーを感じます。
シャッターは必要最低限に。
一番重要なのは親御様が集中してお二人のご用意したメッセージをご覧になれること。
お子様との懐かしい思い出の世界を邪魔しないようにその瞬間を写真に収めていきます。
それぞれ手にされたお手紙にはどんな内容が書かれているのか、僕らにはわかりません。
でもどんな内容だったか分からなくても親御様の胸を打たれる姿に僕自身も心を動かされます。
人の心は垣間見ることができません。
それが例え自分の子供であっても。
目には見えない気付かなかった想いもあると思います。
言葉に出さなければ伝わらない、とよくいいますもんね。
そんな貴重な、本当に人生レベルで貴重な瞬間。
微笑みや涙の理由はその時その人だけのもの。
セレモニーホールでは新郎さんが後ろを向いた状態で親御様を待っています。
新郎さんもまた親御様からのお手紙を既にご覧になっていてお互い胸に秘めた想いを伝えあってこの瞬間を迎えます。
親御様は先ほどご紹介したこの道を進んでお子さんのいる場所へ向かわれます。
過去を辿り現在へ、そして未来へと続く道。
入り口を入ったら是非いつもの呼び方でお声をかけてあげてください。
そんなことを親御様は事前に聞いていらっしゃるそうです。
お父様がとても笑顔で大きな声で元気いっぱいに声をかけてくださいました。
ホールに響くその愛情のこもった声。
振り返ればいつもとは違う服装に身を包んだいつもの笑顔。
お互いに宛てた手紙にはどんなことが書いてあったのでしょうか。
きっと色々な想いが書き綴られていたでしょう。
だからこそただお互いの顔を見れば通じ合う。
一瞬で押し寄せて一気に溢れ出すように。
僕も涙堪えるのに必死、というか堪えられていたのか不明。
息つく間も無く新婦さんの親御様が受付スペースへ通されます。
母と娘の関係っていいですよね。
たくさん貼られたプリクラ帳を見ながらどんなことを思い出されているのでしょうか。
たくさんの投函口の中から自分の名前を探すのってちょっと楽しそうですよね。
自分だけに宛てられた手紙ってやっぱり嬉しいものです。
僕も一児の父ですが、もし自分の子供が今結婚式をあげるとしたらどんなことをしてあげられるかなと時々考えます。
子供の結婚式は親からすればもしかしたら自分の結婚式よりも大切なものかもしれません。
どっちがと比較するような話ではありませんが、それだけ親御様は色々なことを考えていらっしゃるような気がします。
根本的な解決策が見えない中、どうしてあげることもできず一緒に悩むだけのこともあるかもしれません。
でもそうやって一緒に悩んだり考えたりした時間こそが価値のあるものなのかもしれません。
一緒に乗り越えたものがある。
決して楽ではありませんが、その数が多い方が絆を深め人生を豊かにしてれるはずです。
Celebration Hallへ向かうと、そこではまだ新婦さんがお手紙を読んでいらっしゃいました。
とても絵になるその雰囲気に一瞬ハッとさせられます。
この仕事をしていてこんなことを言うのも変ですが、僕は人の涙を撮ることに少し抵抗があります。
なぜかと言うとカメラを向けるとその人の感情の邪魔をしてしまう気がするからなんです。
だからどうしても写真に残したい時には、静かに、足音を消して、その人の感情に寄り添うようにシャッターを切るように心がけています。
そうすると不思議と写っている人の気持ちが撮影している人や写真に乗り移ってくる気がするんです。
そこにある感情を残すことができたらいいな。
そんなことを思うのは、人生におけるスパイスが結婚式にたくさん詰まっていると感じるからだと思います。
本当に大切なものは手の届かないような遠くにあるものじゃなくて、いつも側にある。
側にあるからこそありがたみを感じにくいし、気づかなかったり忘れてたりする。
でもそれは当然その人が悪いわけじゃありません。
とても健康的で一般的なこと。
そうなんですが、それを忘れてしまうと隣にいる人の声を無視して山のてっぺんばかり眺めてしまう。
「あー、あんな高いところに行ってみたいなぁ。
あの人みたいになりたいなぁ。
きっとすごい景色が見えるんだろうなぁ。」
こう思うこと自体は向上心でもありますし別に悪いことじゃないと思います。
でも僕が思うに上に登りたいなら一番見るべきは頂上じゃなくて足元だと思うんです。
山登りみたいなものです。
上ばかり見て心ここに在らずでは、ふと気付いた時には周りに人がいなくなってるかもしれません。
いつの間にか迷ってしまっているかもしれません。
そして何より危なっかしいですよね。
地面をしっかり確認して一歩一歩。
途中足を挫くこともあるかもしれませんから何人かで登りましょう。
山の天気は変わりやすいですから無理な計画は避けましょう。
ペースの遅い人に合わせてあげる余裕を持ちましょう。
そしていつも心のコンパスを確認しましょう。
そうして積み重ねた先、ふと立ち止まって振り返った時に見えるもの。
そんな景色が結婚式には見える気がします。
そして時が経ち忘れかけた頃、また思い出させてくれるのが一枚の写真だと思うんです。
振り向けばそこにいる。
普段とちょっと違うところもあるけど笑顔はやっぱりいつもの笑顔。
今まで求めていたもの、悩んでいたこと、そんなことがどうでも良くなる景色を誰もが一度は見たことがあると思います。
それは山の頂上から見る景色だったり、水平線に沈む夕日を見た時かもしれません。
でもそれと同じように心を動かされる景色が結婚式にもあるんです。
きっと大きな自然の法則のようなものが人と人の間にもあるのだと思います。
あなたはこれまでたくさんの人と山を登ってきたことと思います。
これからもその道のりは続くでしょう。
先を急ぎたくなることもあるかと思いますが、ここで一つちょっと想像してみていただきたいことがあります。
その主人公を今だけ親御様に置き換えて考えてみて欲しいのです。
子育てをしたことがないと難しい部分もあるかもしれませんが、誰よりも多く親御様とたくさんの経験を積んだあなたならきっと分かるはずです。
あなたが生まれてから親御様がどんな山をご夫婦で登られてきたかを。
自分の小さな頃の写真を見ながらその写真の中の子供を少しだけ育ててみてください。
寒い冬の日、明日も朝早いのに2時間おきに夜泣きするあなたに温かいミルクを飲ませてくれたこと。
自分が食べる料理とは別にあなたが食べやすいように作った料理。
食べようとしなくてもそれでも毎日作ってくれた日々のこと。
共働きでどうしても外せない仕事が入っている日に保育園から熱が出たから今すぐ迎えにきてくださいと言われた時のこと。
洋服が好きだった親御様がいつしか自分の洋服をあまり買わなくなった時のこと。
あなたが生まれた日に心に誓ったこと。
小さかったその子はもう立派な大人になりました。
でもどうやら親御様はまだその山を登っている途中のようです。
道が緩やかになったように見えても忘れてはいけません。
山の天気はいつでも変わりやすく、アクシデントは付き物です。
しかし親御様はそんなことは当たり前のことでそうあることが自然だと思っているはずです。
それはきっとその先の景色を楽しみにしているからではないでしょうか。
20年、30年と歩いてきた今でさえ、きっと頂上はまだまだ先でしょう。
そして大きな節目に出会います。
いつも愛情を持って一緒に歩いてきたメンバーの一人がここからは別のメンバーと歩いていくと打ち明けます。
それがあなたの結婚です。
もし親御様の立場ならこの時どんな言葉をかけてあげられるでしょうか。
本音を口に出したくなっても
「おめでとう。気をつけて。新しいメンバーと一緒に頑張って」
そう言うかもしれません。
その言葉に嘘は一切ありません。
でも一番大事な本音は誰もが心の奥に閉じ込めているのではないでしょうか。
それが親の愛情だからです。
2021年初頭。
結婚式を予定通りの日程で執り行う方達のほとんどが規模を縮小しています。
どうしても一緒にその時間と空間を共有したかった人と過ごすことが叶わない悲しさ。
どうして、なぜ、そんな感情に押しつぶされそうになることもあるかもしれません。
この結婚式にはもちろんまだ続きがあります。
でもこの日一日を通して一番大切な時間だったのは挙式の指輪交換よりもパーティーのクライマックスよりももしかしたらこの時間だったのではと思い今回のブログは一旦ここで区切らせていただきます。
出席人数が減ってしまいご家族だけになったとしても結婚式をやる意味を見失う必要はありません。
挙式さえ満足に行えなかったとしても、一番大切なことはこのブログでお伝えしたような時間の中に詰まっていると思うからです。
失くしたもの数よりも今あるものの数を数えよう。
もしあなたが同じように感じていただけるなら、自分やパートナー、そして親御様とまっすぐ向き合う時間を作ってみていただきたいです。
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